痔伝 ~痔瘻体験記~ シーズン2<痔ろうとの共存> epsode02

CLINIC

痔ろう発覚から手術治療の体験談
痔ろうとの共存のなかで破裂してしまえば穏やかな生活ができることが分かってきた。

計画的に破裂させるかという技を生み出すのだった。

同じ悩みを抱える人が手術の決断をしたり、しばらく様子をみるという判断をしてくれたらと思う。

共存生活がスタートし、変化する症状の中で発生から消滅までの流れをつかみ、なんとかシューティングしていく日々。
そしてついに必殺技を体得することになる。

トリガー

発生から消滅の流れを経験し、もうこれで一生発生しなければなと考えていたが、そんなはずもなく1か月に1度くらいのペースでやってくる

これも何か法則があるのかと考えてみたが、何となく飲みすぎたりすると発生しがちな気がしてきた。

この頃から飲み会があるとセットで痔ろうターンを覚悟し始めるのだった。

痔ろうの原因は、肛門周囲膿瘍です。肛門周囲膿瘍は、勢いの強い下痢などによって歯状線にある小さなくぼみの肛門陰窩に便が入って細菌感染し、化膿することで発症します。主な症状は腫れ、痛み、発熱などです。進行すると膿が肛門周囲の組織に穴を開けながら進んで、肛門周囲の皮膚まで続く穴を開けます。この穴から膿が排出されると痛みなどの症状は消失します。膿が進んだ穴がトンネル状に残ったものが痔ろうです。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック

膿をもって、膿が出るといったん落ち着くこと、飲酒によりおなかが緩くなることで下痢をしてさらに悪化させたり、症状が発生するのはこのことだったみたい。
全然治るはずなんてない!

心の準備

症状が発生したらだいたいどのぐらいで破裂するかがつかめてきたので、成長具合をみてそろそろ破裂しそうと思ったら、警戒することができるようになった。

有事の際にはアクティブな行動は避けて静かに対処することを心掛けた。

この時は誰にも言っていないので静かに一人でこんな生活をしていた。
なんだこの生活!という感じ。

必殺技

いよいよ爆破のタイミングが近くなった時に編み出した技がある。
それはトイレでトイレットペーパーで痔ろう爆弾をギューッとしてこちらのタイミングで爆破処理させることだった。

ここで処理してしまえばパンツ交換も必要なく、平穏な生活に自分のタイミングで戻すことができるという必殺技である。

ただ、これはめちゃくちゃ痛い
だが、変な時に爆発されても困るので、そこは必死である。

破裂を怖がるのではない。こちらがコントロールする側に回ってしまえば怖くないという発想から痛みに耐えながら習得した技である。なにしてんだよ!と思うが、当時は必死なので。

失敗の代償

痔ろう爆弾処理の時期が早すぎると失敗する。

それはニキビができてそれをキューっと絞ろうとしたときにまだ成熟していなくて痛い&赤くなる、よってもっと目立つというあれににている。

ただただ痛くて、成果がないということもある。

でも、正確に痔ろう爆弾の成熟期を見定めるのは至難の業のため、失敗して(まだか)、失敗して(まだなのか)、成功(ふうー世話が焼けるぜ)という形のプロセスを踏むことになる。

一撃で処理できる方がむしろ稀で、痛い思いを数日経て成功をてにするのだ。
これも、なにしてんだよ!と思うが、当時は必死なので。

告白

必殺技を体得したといえ、爆破予告がカウントダウンされていても処理しきれていない状態で外出や仕事に行かなければならないときもある。

爆破に備えてトイレットペーパーやティッシュを挟んでおく作戦も何度か試みたが、防ぎきれずにパンツ汚れを妻に発見されてしまった。

そこで、ついに今までの出来事、一人での戦いを告白し、有事の際に女性用の薄いタイプのナプキンをかりて装着する運用が始まったのだ。

誰かに話をしたことで精神的に楽になった部分もあった。

今まで身に起きたことを話したのはいいが、なかなか理解しがたいらしい。
当事者じゃないと伝わらないような気もする。
でも一番大事な、たまに膿がでるのでパンツを汚したくないという点は伝えられた。
そして一生縁がないと思っていた女性用ナプキンの装着という経験をするのだった。

つづく

つづきは、追って更新する。

ではまた、ごきげんよう。

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