ヨーロッパ史は古代ギリシア・ローマの拡大からスタートする。
地中海沿岸は、中東オリエントに築かれたメソポタミアやエジプトを結ぶ航路の寄港地として都市が発展。
ギリシアでは都市国家(ポリス)が成立し、発達した奴隷制度を持ち民主制を行うアテネが支配力を高めていた。
その都市国家アテネについて、「ギリシア人とポリス」、「ペルシア戦争」、「アテネとスパルタ」、「ポリスの衰退」を学んでいきたい。
そこで、今回の内容はこちら
- ギリシア人とポリス
- ペルシア戦争
- アテネとスパルタ
- ポリスの衰退

参考書籍
年表
いつ | できごと |
---|---|
紀元前20世紀頃 | ギリシア人がバルカン半島を南下。定住を始める |
紀元前16世紀頃 | ギリシア人がミケーネに小王国を形成し、文明を築く |
紀元前8世紀頃 | ギリシアのアテネなどに都市国家ポリスが成立 |
紀元前5世紀 | アテネがペルシア戦争に勝利。デロス同盟が締結される |
紀元前443年 | アテネで民会による直接民主制が確立 |
紀元前431年 | アテネがペロポネソス戦争に敗北。ポリス社会が衰退する。 |
紀元前338年 | カイロネイアの戦いでマケドニアがギリシアを制圧する。 |

ギリシア人とポリス
ポリスとは城壁に囲まれた中心都市と周囲の田園部からなる都市国家のこと。
ギリシア人の生活基盤となった。
■アテネ
高度な民主政を確立していたギリシア人の都市国家。
商業交易により発展していた。
■スパルタ
先住民を征服して建設したギリシア人の都市国家。
ギリシア最強の陸軍をもっていた。

ペルシア戦争
商業の発達したアテネでは、市民が自費で武装して戦う重装歩兵が軍隊の主力だった。
アテネは大帝国ペルシアを打ち負かした。
■ペルシア
エジプトを滅ぼしてオリエントを統一。
ダレイオス1世が大帝国へと拡大した。

アテネとスパルタ
有力ポリスとして対立したアテネとスパルタ。
商業交易により民主政が確立したアテネと対照的に、スパルタは市民の貨幣使用や商業のほか、他国との自由な行き来を禁止する閉鎖的で厳しい統制をおこなった。
「スパルタ式教育」として現在もその名を残している。
項目 | アテネ | スパルタ |
---|---|---|
人種 | 紀元前20世紀頃南下してきたギリシア系イオニア人 | 紀元前12世紀南下してきたギリシア系ドーリア人 |
ポリスの形成 | 有力者(貴族)が中心となって要地へ移住し周辺の村を統一した集住型 | 先住民であるアカイア人を征服して建設した征服型 |
社会構成 | 市民(家族を含む)12万人、在留外人3万人、奴隷8万人 | 市民(戦士のみ)5000人、周辺民2万人、奴隷5万人 |
政治 | 貴族政から民会による直接民主政に | 市民のうちの少数支配者層による貴族性 |
外交・軍事 | 海外貿易を生業としており開放的・海軍中心 | 市民の商工業活動は禁止され閉鎖的・陸軍中心 |
経済・文化 | 農耕が難しく輸入に頼ったため商工業が中心・芸術的 | 穀物の自給自足ができたため農業主体で商業抑制・質実剛健 |
奴隷制 | 市民の個人所有で債務奴隷や購買奴隷(戦争捕虜)。 2~3人の家内奴隷がおもで、農工業や鉱山労働に従事することも | 国が所有して市民内で共有。 先住民のアカイア人を奴隷農民化したため、しばしば反乱を起こされた |
■ペロポネソス戦争
アテネに敵対する他のポリスとペロポネソス戦争を起こしたスパルタは、ペルシアの支援を受けてアテネをくだした。

ポリスの衰退

ペルシアが抗争をあおったため、ペロポネソス戦争後もポリス同士の対立が続き、ギリシアは衰退。
マケドニアが勢力を広げ、全ギリシアを支配すると、アレクサンドロス大王がペルシアを滅ぼした。
まとめ
今回の内容をまとめると
- ヨーロッパ史は古代ギリシア・ローマの拡大からスタートする。地中海沿岸は、中東オリエントに築かれたメソポタミアやエジプトを結ぶ航路の寄港地として都市が発展した。
- ポリスとは城壁に囲まれた中心都市と周囲の田園部からなる都市国家のことでギリシア人の生活基盤となった。
- 商業が発達し、市民が自費で武装した重装歩兵が軍隊の主力としたアテネは大帝国ペルシアを打ち負かした。
- 有力ポリスとして対立したアテネとスパルタ。商業交易により民主政が確立したアテネと対照的に、スパルタは市民の貨幣使用や商業のほか、他国との自由な行き来を禁止する閉鎖的で厳しい統制をおこなった。
- アテネに敵対する他のポリスとペロポネソス戦争を起こしたスパルタは、ペルシアの支援を受けてアテネをくだした。
- ペロポネソス戦争後もポリス同士の対立が続き、ギリシアは衰退。マケドニアが勢力を広げ、全ギリシアを支配すると、アレクサンドロス大王がペルシアを滅ぼした。
ではまた、ごきげんよう。

