陰陽師として不思議な力を持ちセレブを守り、絶大な人気の安倍晴明についての以下のような疑問を学習する記事。
- 安倍晴明は何をした人?何がすごいの?
- 陰陽師とは?
- 安倍晴明の少年漫画みたいな逸話って?
- 安倍晴明と道満の関係は?妻の浮気?
- 安倍晴明はどうやって死んだのか
安倍晴明の情報
時代 | 平安時代 |
身分 | 陰陽師 |
出身地 | 大阪または奈良 |
別名 | 天文博士 |
生没年 | 921~1005年頃 |
時代背景
千年の都・平安京
50代天皇 桓武天皇は和気清麻呂の進言により、道鏡事件のようなことがあっては大変なため、僧の勢力が強い平城京(奈良県)から、長岡京を経て、794年 平安京(京都市)に遷都した。平安京は三方を山に囲まれた盆地で、東に川(青龍 賀茂川)、西に大道(白虎 山陰道)、北に山(玄武 船岡山)、南に沼地(朱雀 巨椋池)という占いの風水の四神相応に守られていた。
早良親王の怨霊
平安京への遷都の前、784年に遷都した長岡京。その長岡京造営責任者 藤原種継暗殺事件の容疑者とされた桓武天皇の弟 早良親王は、死後に怨霊となって長岡京に災害や疫病をもたらしたという。怨霊をおそれた桓武天皇はわずか10年後の794年に平安京遷都を決意。
仏教改革
桓武天皇は仏教の政治介入事件もあったことから、本来の仏教の形へ方向転換するため、仏教改革を行う必要があった。そのため、平城京にあった寺を平安京には移さず、代わりに唐で学んできた最澄と空海が始めた新しい仏教を広めた。
天台宗
法華経の教えに基づく。平安京の鬼門にあたる東北から都を守る。
開祖:最澄
開いた寺:比叡山延暦寺
真言宗
密教を学び真言宗を開く。平安京を守るため嵯峨天皇から教王護国寺(東寺)を託された。
開祖:空海
開いた寺:高野山金剛峰寺
貴族社会の展開
9世紀初頭までは天皇が強い勢力を持っていたが、次第に藤原氏の勢力が強くなる。866年に応天門の変で有力貴族の伴氏と紀氏が没落すると藤原良房が皇族以外で初めて摂政へ、その養子の基経が884年関白になった。左大臣 藤原時平は右大臣 菅原道真を大宰府に左遷し、藤原氏以外は排除していく。
60代天皇 醍醐天皇と62代天皇 村上天皇は自ら政治を行ったが、969年に源高明が左遷されると、藤原北家の勢力は不動のものとなる。自分の娘を天皇に嫁がせて孫を天皇にし、天皇の外祖父として天皇が幼いころは摂政、成人後は関白として政治に介入した。これが摂関政治だ。
権力の絶頂を迎える 藤原道長
もっともすごかったのは藤原道長で4人の娘を天皇に嫁がせ、50年にわたり孫3人が天皇になることに成功した。
安倍晴明のすごさ
エース陰陽師
飛鳥時代から明治時代まで朝廷には占いや悪霊退治のための「陰陽寮」という部署があった。平安時代のこの部署のエース陰陽師が安倍晴明だった。
花山天皇の頭痛解決
65代天皇 花山天皇は頭痛に悩んでいて、安倍晴明が占いで「天皇の前世はじつは修行中に死んだ僧で、その僧の頭蓋骨が岩に挟まったままなので頭痛がおきている」という結果を出した。
その場所に行くと、本当に頭蓋骨が挟まっていた。しかも頭蓋骨を岩から取るとうそのように頭痛が消えた。このことから花山天皇は安倍晴明の大ファンになり、ことあるごとに清明を頼りにした。
藤原道長を呪いから守る
平安時代は皇族や貴族たちの権力争いがさかんで、呪ったり、呪われたりが日常茶飯事。そのため少しの変化や疑念があるとビビりまくっていて安倍晴明のような能力者は重宝された。瓜の中に呪いの毒蛇が入っていることを見抜くことで藤原道長を呪いから守ったり、道長の妹の藤原詮子の病気を治したという伝説もある。藤原道長からも重宝されたことが伺える。
安倍晴明ってじつは・・・
透視勝負
清明のうわさを聞きつけた蘆屋道満という陰陽師が清明に勝負を挑んだ。箱の中身の透視で、道満は「みかん」、清明は「ねずみ」と答え、箱の中身からはねずみがでてきた。じつは箱の中身はみかんだったのだが、清明は透視したうえでさらにみかんをねずみに変化させる術をかけて勝負に勝利したというエピソードがある。
妻と弟子の浮気
勝負に負けた道満は清明に弟子入り。その後、清明が天皇の命により唐(中国)の仙人のもとで修業しているすきに、道満は清明の妻 梨花を誘惑して浮気をしてしまう。3年がたち清明が戻ってくる日が近づいてくると、道満は浮気がばれて清明に殺されてしまうことを恐れ、梨花と共謀して殺される前に清明を殺すことを決意。ふたりは強力な呪文で清明を殺害してしまう。清明の力で浮気されていることや狙われていることを占いで察知して防ぎたかったところだ。
復活
清明は弟子の道満と妻の梨花の裏切りにより呪い殺されてしまったのだが、修行しにいった唐の仙人のパワーにより見事復活し、道満と梨花を襲撃して成敗したのだった。まさかの復活。一番すごいの唐の仙人ではないのか。
あとがき
偉人に興味を持ち、その人物軸で時代背景や文化、歴史についても興味が持てればもっと楽しく学べると思う。
平安京への遷都や藤原氏の勢力拡大などについての記事はこちら。
ではまた、ごきげんよう。