中大兄皇子 中央集権国家への改革 パワハラ上等 楽しい日本史 -偉人編- 03

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日本を天皇中心の中央集権国家に大きく変えた中大兄皇子について下記のような疑問についての記事。

  • 中大兄皇子の頃の時代背景はどんな状況だったのか
  • なんで蘇我氏がでてきたのか
  • 中大兄皇子が目指した政治、日本の姿とは
  • 大化の改新とは
  • 中大兄皇子ってどんな人
  • 中大兄皇子の妻って弟の奥さんだったの?

中大兄皇子の情報

時代飛鳥時代
身分皇子⇒天皇
出身地奈良
別名天智天皇
生没年626~671年頃

時代背景

中国大陸

中国大陸では隋が滅び、618年に唐ができていた。唐では「律令」という法によって中央政府が強力に支配する中央集権国家となっていた。

蘇我氏が聖徳太子の子を滅ぼす

聖徳太子の義父(嫁の父)である蘇我馬子。その蘇我馬子の子である蘇我蝦夷と、またその子である蘇我入鹿が権勢をふるっており、聖徳太子とともに改革を行ってきた蘇我氏だったのだが、権力抗争の末にまさかの聖徳太子の子の山背大兄王を滅ぼしてしまった。

天皇中心の中央集権国家へ

この蘇我氏の横暴に対して中大兄皇子は日本を天皇中心とした中央集権国家にするため、政治の実権を握ろうとする蘇我氏を滅ぼそうと決意する。権力抗争につぐ権力抗争である。

中大兄皇子のすごさ

皇子

35代天皇 皇極天皇の息子として皇子として生まれる。サラブレッドなのだ。

クーデターを成功させて大化の改新

蘇我入鹿のライバルだった中臣鎌足とタッグを組み、645年、中大兄皇子と中臣鎌足は天皇と入鹿が出席する儀式で入鹿暗殺を計画する。暗殺者を柱の陰にひそませて準備は完璧だったが、暗殺者が蘇我氏にビビり、全然出てこないという事態に。このままでは失敗してしまうと思い、中大兄皇子はみずから儀式中の天皇の前で入鹿を襲い、切り殺すことに成功。普通に殺人事件。
入鹿の親である蘇我蝦夷は絶望して自殺してしまい、天皇家の権力を取り戻すことに成功。これがあの有名な「大化の改新」である。

初の元号

大化の改新の「大化」は日本初の元号。これで諸外国(特に唐)にむけて立派な国家という体裁も整えようとしたのではないかといわれている。

すべての土地と民は国のもの

皇室や豪族の私有地や私有民を廃止し、すべての土地と民を天皇のものとした「公地公民」制度をつくった。

行政区分を設置

日本初の行政区分「国」「群」を設置し、地方公務員みたいな国司、郡司を派遣した。防人という兵隊を設置し、交通手段も整備した。今でいう都道府県を作った感じ。

戸籍や税の制度

初めての戸籍をつくり、唐を参考に税制度も導入し、戸籍に合わせた口分田を与えて税を徴収した。有名な「租・庸・調」である。なんか不平不満でそうだけど、大丈夫かな。
祖:収穫した米から一定割合を税として納める
庸:20~60歳の男子は都で労役を行う
調:布や絹などの特産物を納める

中大兄皇子ってじつは・・・

行動力ありすぎる

中大兄皇子の弟の大海人皇子に額田王という妻(義理の妹)がいた。短歌がうまいほどモテた時代もあって天才歌人だった額田王はモテモテ女子だった。そんな妻をもつ弟がうらやましすぎてなのか好きになってしまったのかで、中大兄皇子は額田王に「弟と別れて妻になれ」とせまった。どろどろすぎだろ。

パワハラ上等

無理矢理妻にするとか完全アウトだが、当時、中大兄皇子は皇太子であり皇太子の命令は絶対である。また、蘇我氏をはじめ自分に逆らう者を血祭りにあげてきた男に逆らうことなどできないのである。よって額田王は弟と別れて中大兄皇子の妻となるのだった。こわい。やばい。

引き裂けない想い

中大兄皇子はその後、順調に天智天皇として即位し、妻となった額田王や弟の大海人皇子をまねいて宴を開く。なんとその席で、額田王と大海人皇子は短歌の発表にかこつけて「私たちは別れたけど密会している」みたいなぶっちゃけ短歌を披露してしまった。みんなの前で声に出して短歌をよんでいるので天智天皇は人前で妻と弟の恋愛事情を暴露され、さぞかし赤っ恥をかかされたことだ。元々略奪だけどな。
また、この短歌は引き裂かれても愛し合う二人の美しい歌として「万葉集」にものって、永遠に残されることになってしまったのだ。逆にそうさせたのだったら、中大兄皇子にはかなわない。

大海人皇子のその後

妻を兄の中大兄皇子(天智天皇)に奪われた大海人皇子のその後についても伝えておきたい。

天皇に即位

中大兄皇子(天智天皇)の死後に天智天皇の息子の大友皇子を倒して天武天皇となるのだった。これが壬申の乱。恐ろしい。恨みもやっぱりあっただろう。

あとがき

偉人に興味を持ち、その人物軸で時代背景や文化、歴史についても興味が持てればもっと楽しく学べると思う。

ではまた、ごきげんよう。

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