フランシスコ・ザビエルは何しにきた?お坊さんだと思われてた!? 楽しい日本史 -偉人編- 12

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教科書でもお馴染みの日本に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルについての以下のような疑問を学習する記事。

  • 何をしに日本にきたのか?
  • どんな人?
  • どこの国の人?
  • 日本でのエピソードは?

フランシスコ・ザビエルの情報

時代戦国時代
身分司祭・宣教師
出身地スペイン
称号バテレン
生没年1506年~1552年

時代背景

室町幕府についてはこちら

室町幕府の衰退

8代将軍・足利義政の時代、将軍の後継者争いと、畠山氏と斯波氏の家督争い、細川勝元と山名宗全の権力争いが重なり、応仁の乱が起きた。戦乱は全国に広がり、朝廷や幕府を頂点とする伝統的な秩序が崩れ、守護大名に代わって戦国大名が独自に領国を支配する戦国時代が到来する。

応仁の乱 守護への反抗

応仁の乱で守護は自分の領地を離れ、京都で戦うことになった。領地では守護の留守の間に守護の家臣だった守護代や国人が力をつけ、守護を倒すこともあった。争乱から地域を守るために地侍や農民、本願寺門徒が一揆を起こし、守護の支配を退け、自治を行うこともあった。

守護大名と戦国大名

守護大名は室町幕府から任命されて、地方の国の統治を任されていた大名家。古くから続く名家が多く、室町幕府は守護大名をまとめる役割だった。
一方、戦国大名は幕府から任命を受けていないのに、勝手に地域を統治している大名。多くは武力をもって領域を広げていた。中には元足軽の豊臣秀吉や商人出身の小西行長といった戦国大名もいる。

下剋上

身分の低い者が、身分の高い者を打ち倒すこと。戦国時代は、下剋上によってのし上がった大名が多くいた。

大航海時代

世界の動きとして、15~16世紀にかけて、ヨーロッパでは航海術が飛躍的に発達。そうしてアメリカ大陸が発見されたり、インド航路が開拓されたりした。ヨーロッパの冒険家たちは、アジアへの進出を試み、極東の島国ジパングに興味を抱くようになる。彼らは貿易やキリスト教の布教を目的としていた。西洋文化と出会った戦国武将たちはさまざまな影響を受けていく。

西洋文化の影響

ヨーロッパで発明された鉄砲。日本の伝来は1543年といわれている。鹿児島県の種子島に漂着したポルトガル人が伝えた。それまでの戦術を一変させ、戦には不可欠な武器となり、国内で生産されるようになる。
また、日本人の宗教観は神道、仏教で神々や信仰が混ざり合う「神仏習合」だったが、キリスト教が伝来し、一神教の教えや内容、宗教画がめずらしく多くの人が改宗した。

フランシスコ・ザビエルのすごさ

宣教師として日本へ

ザビエルはヨーロッパのナバラ王国の貴族の家に生まれる。6才のときに戦争で国が消滅。そのストレスで父親が亡くなり、死んでいた城も壊されてしまった。戦争が心底いやになったザビエルは、神様に仕える司祭の道を選ぶことになる。ザビエルは6人の仲間とイエズス会を結成し、世界中にキリスト教を広める活動をはじめる。インドで宣教していた時、薩摩からマレーシアに逃亡中の日本人・アンジロウと出会う。アンジロウは人を殺したものの罪を反省し、救いを求めてキリスト教徒になった人だった。その信仰心に感動したザビエルは日本に行くことを決意した。

日本での活動

薩摩についたザビエルたちは守護大名の島津貴久から宣教の許可をもらい、活動するが、仏教の僧侶たちが怒り、平戸(長崎)や周防(山口)に移動することになる。周防では日本初の教会堂を与えられ600人もの日本人がキリスト教徒になった。戦で人を殺したり、家族を亡くして苦しんでいた日本人にとってザビエルの「神様を信じていれば罪が許される」という教えが大きな救いとなった。

フランシスコ・ザビエルってじつは・・・

お坊さんと勘違い

ザビエルの通訳として日本に帰ってきたアンジロウは、「この人はインドからきたお坊さん」と薩摩藩の島津貴久に紹介したそう。当然、ザビエルはインド人でもなく、お坊さんでもなく司祭。このことにより大きな誤解がうまれる。インドは仏教を開いたブッダが生まれた国なので、仏教の本場から来たえらいお坊さんと勘違いされてしまう。さらに、アンジロウがキリスト教の神様を大日(大日如来)と日本語訳してしまっていてますます仏教のお坊さんと思われてしまう。

仏教でないと気づく

大日様がすごいという話で薩摩の僧侶たちとすっかり意気投合していたが、僧侶の恋愛事情の話におよぶと事態が急変する。当時の僧侶は女性との恋愛は禁止されていたため、男性同士の恋愛はOKだった。しかし、キリスト教ではNGのため、ザビエルは絶対ダメだと怒る。この様子から僧侶たちは、なにか宗教が違うとようやく気付き、騙された、バカにされたと激怒してしまう。その結果、薩摩から追い出されてしまう。誤解に気づいたザビエルはその後神様を「大日」ではなく「デウス」とラテン語で呼ぶようになった。

あとがき


偉人に興味を持ち、その人物軸で時代背景や文化、歴史についても興味が持てればもっと楽しく学べると思う。

戦国大名の台頭についてはこちらの記事。

世界の大航海時代が日本にもたらした影響についてはこちらの記事。

ではまた、ごきげんよう。

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